1月号
二世税備士の独り言
拝啓 新春の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
さあ、いよいよ平成20年の幕開けです。今年はどんな年になるでしょうか。子年は干支の始まりの年でもありますので、新たに何かをするのにはちょうど良いかもしれません。実は、私は子年の年男です。何か良い予感がします。良い初夢が見られたら今年は良いことがあるでしょう。ところで、この初夢ですが、昔から一富士二鷹三茄子といいます。これには、富士は無事、鷹は高い、茄子は事を成すという意味が隠されているそうです。さらに、四扇五煙草六座頭と続いて、扇は富士と同じく末広がりで繁栄の意味、煙草の煙は鷹と同じく上昇するので、運気上昇の意味、座頭は茄子と同じく毛がないので、怪我ないという意味があるそうです。日本人は昔から、縁起担ぎと洒落が好きなんだなぁとつくづく感じます。これを経営に例えると、安定、利益、健康につながるでしょう。とても大事なことです。私もこういう縁起物と洒落は嫌いじゃありませんので、いずれかの夢が見られるように、宝船に乗った七福神の絵でも枕の下に忍び込ませようかと思います。ところで、今は夢を1枚300円で買うことができます。そうです宝くじです。年末に買った人も多いかと思いますが、この年末ジャンボの当選金額の総額は1,050億7,260万円です。見当がつきません。1千万円以上の当たりは666本ありますが、売りさばく枚数は7億4千万枚ですので、単純計算で当たる確率は0.00009%。まず無理です。年末ジャンボは74ユニットあるので、仮に1ユニット(1,000万枚)を買い占めたとします。1ユニットのすべての当選金額が約14億円で、購入価額は30億円。非常に効率の悪いものです。やはり夢なのです。しかし高額当選者666人は現実に存在するのです。羨ましいですね。ちなみに、宝くじの当選金額には一切税金はかかりません。当選金額で家を購入するとすぐに税務署が来るそうですが、宝くじの証明ができれば何も問題はありません。しかし、当選金額を山分けすると、贈与税がかかります。もし高額当選者がいれば、ご一報下さい。山分けしても贈与税がかからない方法をお教え致します。そして、お裾分けを・・・。私は、宝くじを買ったことはありませんが、いつも当たることを夢見ております。今年も宜しくお願い致します。 敬具
平成20年 1月
税理士 宮村吉徳
2月号
二世税備士の独り言
拝啓 余寒の候、貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
寒い日が続きますね。先日、自宅近くの石神井公園のボート池が凍っていました。びっくりです。厚さ1cmほどの氷が池全体にびっしりと張り詰めておりました。思わず氷の上に載ろうとしましたが、それはさすがに無理です。水鳥たちはどうしているのだろうと心配してしまいました。実は、私がこんな朝早くから石神井公園にいるのには訳がありまして、今年1月10日に待望の長男が誕生したのです。そのため、長女を幼稚園バスの停留所まで送るのが私の日課になっているのです。妻が実家に戻っているため、今は4歳の長女と二人暮らし。週2回のお弁当も難なくこなし、立派なお父さんを演じているつもりなのですが、何故か長女には怒られっぱなし。税理士としてもヒヨッコですが、娘の父親としてもヒヨッコのようです。なかなか思い通りには行きません。しかし、希望通りの一姫二太郎になりましたので、ここは頑張り時。どうやら税金と産み分けの計算は得意のようです。ところで、この長男ですが、予定日よりも3週間も早く出生しました。どんだけぇ気が早いんだと心配してしまいます。こんなことで将来税理士になれるのか?と考えてしまう親心のほうが、よっぽど気が早いんですけどね。
さて、今年もいよいよ確定申告シーズンの到来です。今年からは、定率減税(10%)が廃止され、所得税の税率が従来の4段階(10%〜37%)から6段階(5%〜40%)に変更されました。また、短期損害保険料控除がなくなり、地震保険料控除が新設されました。そして、電子申告控除も新設されるなど、電子申告もいよいよ本格化してきました。今後は電子申告が主流になってくるでしょう。また、新たに住宅を購入した人や、医療費が多くかかった人がいれば、お気軽にご相談下さい。そして、個人事業や不動産収入のある方は、なるべく早めに資料をまとめて担当者に提出して下さい。今年は2月18日から3月17日までが、所得税と贈与税の確定申告期間になります。3月に入りますと当事務所も大変忙しくなりますので、早めのご相談と早めの資料提出にご協力下さい。いろいろと気が早い税理士からのお願いですが、よろしくお願いいたします。 敬具
平成20年 2月
税理士 宮村吉徳
3月号
二世税備士の独り言
拝啓 春寒の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
春一番が吹き、梅の花がぽつぽつと咲いているのを見かけると、春の足音が聞こえてくるようです。あと1ヶ月ほどで桜も満開になるでしょう。春は気持ちがいいですね。しかし、このすがすがしい春を邪魔するやつがいます。花粉症です。ここ数年おとなしくしていたはずなのに、今年は春一番とともに突然やってきました。いつも鼻の中にこよりを入れられているような感覚、蛇口がゆるみっぱなしの鼻、蚊に刺されたかのような目の中と鼻の中のかゆみ、まったくうっとうしい春です。できることなら顔の中心部をえぐりとって、新しい顔に取換えたい気分です。ところで、最近私の自宅近辺では、新聞に載るほどの大きな火事が相次いで発生しております。乾燥して風が強いと火はすぐに燃え広がります。皆様も火の不注意だけは十分に気を付けて下さい。よく恐いものの例えで、地震雷火事親父といいます。前の二つは自分では防ぎようがありませんが、後の二つは多くは自分の不注意が原因でしょう。用心するに超したことはありません。もっとも、最後の一つは最近では死語になりつつあるようですが。
さて、税務の世界では、今は確定申告の真っ最中です。毎年の事ながら、この時期の税務署はお祭り騒ぎです。都心の方はさほどでもないようですが、東京のローカルな税務署では、人人人でごった返しております。ついつい、たこ焼きの屋台でも出したくなります。儲かると思いますよ。(ごまかしはききませんが。)この確定申告ですが、よく忘れてしまう人がいます。臨時収入があった人については、申告が必要なケースが多々あります。不動産や株を売った人、保険の満期や解約をした人。これらの情報は、税務署も知っていますので、無申告だと後からつっこまれることがあります。心配な人はご相談下さい。 また、最近話題のFX(外国為替証拠金取引)についても、決済して儲けた人は申告が必要です。これは今年までなら無申告でも税務署は分かりませんが、20万円以上儲けたら申告が必要です。儲けていてもお上が分からないものって色々あるんですね。発覚するとすぐに規制がかかります。たこ焼き屋は大丈夫かな。
敬具
平成20年 3月
税理士 宮村吉徳
4月号
二世税備士の独り言
拝啓 桜花爛漫の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
冬のトンネルをくぐり抜け、いよいよ春が来ました。街の花屋さんの店頭には色とりどりの花が並び、上を見上げれば桜が満開。自宅では、昨年の秋に植えたチューリップの球根が、赤白黄色と今まさに満開です。春は気分が穏やかになります。今年はちょうど3月末の週末が桜の見頃であり、この独り言を作成する今まさに、誘惑におそわれております。早く仕上げて花見に行こう!
そういえば先日、過去最高額となる相続税の脱税事件が報道されました。逮捕されたのは大阪の不動産賃貸会社社長で、父親の相続財産約75億円のうち、約59億円を申告せず、相続税約28億円を脱税した疑いです。 その際、札束約50億円を段ボールに詰め、自宅ガレージに置いていたというから、驚きです。50億円の現金って、見てみたいものです。1万円札が50万枚。数えるのが大変ですね。脱税の手口はいたって単純で、父親名義の預金口座を数年前から解約して、現金を段ボールで保管。火事になったらどうするの?なんて心配してしまいますが、こういった単純な脱税って意外と多いそうです。本人は、見つからないと思いこんでいるらしいのですが、税務調査はそんなに甘くはありません。相続税に限らず、法人税や所得税の調査でもそうですが、お宅にお邪魔する実地調査の段階では、相当調べてきているようです。また、数年前の預金口座の流れを調べるのは相続税では基本中の基本ですので、バレて当然。一度預金口座に入金したものは、しっかりと足跡がついておりますので、隠しても無駄です。多額の出金があればその使途をしつこく問われることでしょう。しかし、隠したくなる気持ちは分かります。法人税や所得税は、儲けた中から支払うというものなので、いってみれば年貢です。相続税や贈与税は得したのだから、分け前をよこせという感覚です。その年貢や分け前の高いこと高いこと。「お代官様、そんなに持っていかれちゃあ困ります!」「なんだてめぇ!文句あんのか!野郎ども、やっちまえ!」こんなくさい時代劇が、未だに形を変えて残っているような気がします。正義の味方は、いったいいつ現れるのでしょうか。 敬具
平成20年 4月
税理士 宮村吉徳
5月号
二世税備士の独り言
拝啓 新緑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
いろいろな花が咲き始め、暖かい香りに包まれると、もうゴールデンウィークです。早いですね。我が家の鯉のぼりも春の風をいっぱい吸い込んで元気に泳いでおります。今年の1月に誕生した長男は、首と目が据わってきて、昼夜問わずに声高らかに、初節句に向けて喜びの歌を歌っております。おかげで春眠春眠の毎日で、新聞を読みながら、書類に目を通しながら、はたまた、ハンドルを握りながらついウトウトと夢を見てしまいます。くれぐれもミスや事故などないように、この幸せな期間を過ごしたいと思います。
ところで、最近のガソリンの価格には皆様も関心が深いところでしょうが、くれぐれもガソリンの買いだめはしないで下さいね。灯油用のポリタンクで保管するなんて、もってのほかですよ。ガソリンは非常に蒸発しやすいため、火がつきやすいのです。ある程度の量のガソリンに着火したら大爆発が起こります。リッター数十円の差額のために、不発弾を家に持ち込むのはリスクが高すぎます。危険物取扱者の資格を持つ税備士が言うのだから間違いありませんよ。しかし、このガソリンにまつわる暫定税率って何なのでしょうかね。昭和47年からあるらしいのですが、いったいどこが暫定なのでしょうか。とりあえず35年間です。私も昭和47年生まれですが、私の人生はまだ暫定的なのでしょうか。これに対して、所得税の定率減税はどうでしょう。平成10年に恒久減税として誕生してから、わずかに8年間。紙面上の景気回復により消え去りました。お上が暫定と恒久の意味を間違えていたら、日本の子供達の国語のレベルが上がる訳ありません。親とお上は、子供と民間の見本になってもらいたいものです。子供と民間が望んでいるのは、臨時的な説教と増税、永久的な愛情と減税です。ねじれ国会も空吹かしばかりしてないで、さっさと前に進んで欲しいです。たまにはホイルスピンするほどの爆発力のある政策も聞きたいものです。さて、この暫定税率ですが、いったいどうなるのでしょうか。ガソリンスタンドを見かけるたびに、価格をチェックしてしまう癖を早くなくしたいものです。(4/25現在) 敬具
平成20年 5月
税理士 宮村吉徳
6月号
二世税備士の独り言
拝啓 初夏の候、貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
もう梅雨の季節ですが、ずいぶん暑くなりました。最近、春と秋が非常に短い気がします。温暖化により日本の四季のバランスも崩れているのでしょうか。エコとエゴを取り違えた人間に対する、大自然からの痛いしっぺ返しが始まっているようです。相次ぐ自然災害から目を背けることができません。明日は我が身です。今するべきことは何なのでしょうか。資源の限界を知っているのはいったい誰ですか。崖っぷちに向かって全力疾走して果たして寸止めできるのでしょうか。チキンレースじゃあるまいし、後悔しても間に合いませんよね。
さて、6月というのは一般的には税務調査がない時期です。私も一安心というところですが、今年の前半は意外と調査が多かった気がします。そこでちょっと変わった調査官に会いました。税務署を定年退職して、もう一度税務署に再雇用してもらい、調査をしているというのです。理由を聞いてみると、税理士になっても仕事がないから、とのことです。通常税務署を定年退職すると、税理士になって第2の人生を送る人が多いのですが、税理士業界もなかなか厳しいので、上席で退官した調査官レベルでは、よっぽど強烈なコネがない限り、仕事がないようです。署長クラスで退官したエリートには、このコネで上等なお客をあてがってもらえますから、生活には困りません。上等なお客というのは、いわゆる優良申告法人というもので、税務署から表彰されるような会社です。優良申告法人というのは税金をいっぱい納めて、調査でも申告是認(指摘事項無し)を何回かもらったりするような、成績優秀で比較的規模の大きな会社が多いようです。税務署は優良申告法人に対しては一目置いていると見せかけて、良い関係でつなぎ止めておきます。そして、今度うちの署長が退官して税理士になるのでその節は宜しく・・・となるのです。なかなか断れず、優良申告法人が有料申告法人になってしまいます。大きい会社では税理士を何人も雇っている場合がありますが、それはこのケースが多いと思います。よく雇っている税理士の数によって2階建て、3階建てなどと呼びます。うちの事務所は駆け込みやすい1階で仕事しておりますので、何かあったらいつでもご連絡ください。 敬具
平成20年 6月
税理士 宮村吉徳
7月号
二世税備士の独り言
拝啓 薄暑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
もう夏もすぐ目の前まで来ております。我が家では、ベランダで夏野菜をプランター栽培しております。夏野菜といってもトマトがメインなのですが、これが思いのほか成長しすぎて、ベランダに奇妙な茂みができてしまいました。中くらいのプランターにトマトの苗を3つほど植えていたのですが、今や私の背丈も超えそうな勢いです。茂みの奥には青いトマトが連なっております。夏が楽しみです。冷やしトマトに冷えたビールをプシュ!最高ですね。ベランダにできた小さな大自然に胸を弾ませながら、今日もたっぷり水やりをします。
さて、最近霞ヶ関を騒がせている「居酒屋タクシー」問題ですが、叩いたらずいぶんと埃が出てきたようです。まるで演歌の曲名のようなタイトルですが、内容からはとても哀愁は感じられません。深夜遅くまで残業した官僚にタクシーチケットを支給するというのは、まあ分かる話ですが、特定の個人タクシーから金品を受け取っていたとなれば、これは大問題です。このチケットですが金額は官僚本人が書くそうです。ここでちょっとしたドラマが想定できます・・・ バン!
<官僚A>おい、いつもの所まで頼む。<運ちゃんB>へい!いつもありがとうございます。<A>あ〜疲れた!まったく大臣は人使いが荒いよなぁ<B>へいダンナ!差入れです。<A>お!気が利くねぇ〜。プシュ!<B>ダンナぁ、今日も宜しく頼みますよぉ。<A>おう、まかしとけ。・・・<B>着きました。26,300円です。<A>そうか。じゃあ30,000円と書いておくぞ。釣りはいらねぇよ。かわいい民間人のためだ。ハッハッハ!<B>ありがとうごぜぇますぅ。また宜しくお願いしますぅ。・・・Bは自家用に切り替えて、帰って行きました。
おそらく、こんな事が日常茶飯事だったのでしょう。公務員の倫理とはいったいなんでしょうか。最近は税務署でもこの倫理法のおかげで、民間との接触は大変厳しく規制されております。しかし、そのトップである財務省がこの有様では、民間だけではなく、他の役人からも非難囂々でしょう。自分さえよければ良い。そんな考えが今の日本を創ってしまったのでしょう。権力やプライドというのは、幼稚園で習うようなことをも、忘れさせてしまうのでしょうか。 敬具
平成20年 7月
税理士 宮村吉徳
8月号
二世税備士の独り言
拝啓 灼熱の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
暑い!最近の暑さは、異常ですね。近くの景色がゆがんで見えそうです。気温が体温を超える事なんて、一昔前は無かったと思いますが、最近ではごく当たり前のように報道されております。このまま行くと地球はいったいどうなってしまうのでしょうか。あと10年、20年、30年経つと、今では想像も付かない世界になっているかもしれません。最近そんな不安が頭をよぎります。経済も大事ですが、自然があるから人間が生きていられるということを、忘れてはいけません。便利な暮らしのために自然を破壊するのは、大切な家を売って宝くじを買っているようなものです。地球のリスクマネージメントを真剣に考えましょう。
さて、8月になると税務調査が始まります。7月に移動のあった調査官は、新転地で新しい上司に好かれようと気合いを入れて調査を実行します。よく調査で申告漏れなどがあると、「修正申告して下さい」と、言われます。修正申告とは、記載漏れや計算ミスなどで、当初の申告よりも所得金額が増えた場合(税額が増える)にするもので、納税者が自らの非を認めて行うものです。非を認めない場合は、税務署は「決定」といって、いくら税金を払いなさいと命令してきます。これに不満があると納税者は不服申立をして、もっとしっかり調べてもらうことになります。最終的には、裁判で争うことになるのですが、この場合9割方納税者が負けます。納税者が勝つと大騒ぎで、税務の世界ではまるで大事件のように扱われます。修正申告に応じるかどうかは、ある意味難しい決断ですが、この修正申告は最高で7年まで遡ります。また、逆の場合。すなわち計算ミスなどで、当初申告より所得金額が減る場合(税金が減る)は、「更正の請求」といって、税務署に還付請求することができます。しかし、更正の請求は当初申告から1年以内にしなければなりません。これを過ぎると税務署長に嘆願書でお願いするしか無いのですが、これは法的な手続ではありませんから、効果は曖昧です。なんだか不公平な感じがしますが、これが現実なのです。「おまえのものは俺のもの。俺のものも俺のもの」。こんなセリフを思い出しました。そう、納税者がドラえもんに出てくるのび太なら、国税はまさにジャイアンです。 敬具
平成20年 8月
税理士 宮村吉徳
9月号
二世税備士の独り言
拝啓 初秋の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
オリンピックも終わり、空が高くなってきました。夏の終わりは何となく寂しさを感じますが、実りの秋への期待も感じてしまいます。オリンピックでは日本勢は期待に応えたり、応えられなかったり、意外な選手がメダルを取ったりと、感動したシーンも多々あったかと思います。ところで、見事にメダルを獲得した選手には、(財)日本オリンピック委員会(JOC)から報奨金が支給されるそうです。金メダルは300万円、銀メダルは200万円、銅メダルは100万円と規定されています。この報奨金には税金がかかるのでしょうか。結論からいうと、JOCからの報奨金は非課税扱いとなっており、所得税は課税されません。しかし、一昔前までは一時所得として課税されていました。このいきさつは、平成4年のバルセロナオリンピック、競泳女子200メートル平泳ぎで、岩崎恭子選手が金メダルを獲得したのですが、当時14歳の中学生だった岩崎選手から所得税を徴収し、父親の扶養から外されたことが問題視され、平成6年の税制改正でJOCからの報奨金は非課税となりました。おそらく、岩崎選手は今まで生きてきた中で一番悔しかった事でしょう。一方、五輪でメダルを獲得すると、JOC以外からも報奨金は支給されますが、これにはしっかりと課税されます。北島選手も自分の納税額にびっくりすることでしょう。
さて、祭りの後の静けさもよそに、秋になると税務調査が本格化します。今まで3年ごとにあった調査は、5年ごとになるようです。その分調査の現場では5年前まで遡りますので、調査が長くなったり、よけいな延滞税が多くなったりするでしょう。また、秋が深くなる頃には、新しい相続税の課税方式がまとまるでしょう。今までの相続税の課税方式は、遺産総額に対する相続税を計算し、その税額を法定相続人で分けるというものでしたが、新しい課税方式は、各相続人が実際に取得した遺産に対して、個別に課税する方法ですので、現行方式よりも公平でわかりやすいとされています。この件につきましては、後の機会にご説明したいと思いますが、当然の改正だと思います。税務の世界は、秋になるとあわただしくなるようです。もう、すぐ冬なんだろうなぁ。 敬具
平成20年 9月
税理士 宮村吉徳
10月号
二世税備士の独り言
拝啓 秋晴れの候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言いますが、まだまだ暑い日が続いております。
しかしこれからは急に寒くなるでしょうから、くれぐれも体調を壊さないように御自愛願います。また、涼しくなるとどうしても食欲がでてきて、ついつい太ってしまいます。冬眠でもするつもり?などと言われないようにしっかりと運動もしましょう。もっとも私の場合、今年の夏に夏バテしないように3キロ程体重を増やしておきましたので、いつでも秋眠できる状態ですが・・・。
それにしても最近大きなニュースが多くて話題に困ってしまいます。総理のドタキャン、リーマンブラザーズの経営破綻、事故米の流出、阪神タイガースの不調と、どれをとってもただ事ではありません。中でも興味が湧くのが事故米事件です。本来、事故米というのは農薬汚染やカビなどで食用には利用できなくなったもので、工業用の接着剤などにだけ利用できるものです。この事故米は国が管理しており、売却する際は工業用以外の目的では販売できないことになっております。しかし、三笠フーズは農林水産省の厳しい?検査を潜り抜け、これを食用として販売しておりました。農水省の事前通告した上での検査にも疑問を感じますが、もっと気になるのは流通価格です。事故米の相場は1キロ当たり4〜9円程度。食用米の相場は1キロ当たり80円程度。農水省によると、三笠フーズが国から購入した事故米は1800トン。(1440万円)これを食用米と思って酒造業者や菓子メーカーが購入します。(14400万円)三笠フーズは事故米を右から左へ流しただけで、12960万円のボロ儲けです。これを税務当局は気が付かなかったのでしょうか。または、儲けたぶんの税金を払っていたから見過ごしていたのでしょうか。通常の税務調査であれば、同業他社の粗利率と比較するのは基本中の基本。気が付かないはずはありません。帳簿書類を偽装していれば、脱税につながります。しかし国税が動いていないということは、暗黙の了解でしょうか。不正の臭いがぷんぷんします。国にとっては持て余した事故米を買い取ってくれる業者も、税金をいっぱい払ってくれる業者も、と〜ってもありがたい存在なのでしょうね。米焼酎は芋焼酎よりも、よっぽどクサイと確信しました。 敬具
平成20年10月
税理士 宮村吉徳
11月号
二世税備士の独り言
拝啓 菊花の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
秋が深まって参りました。朝のニュースでも紅葉の景色が次々と放送されています。当事務所もこの時期は毎年紅葉狩りを兼ねた慰安旅行を行っており、今年は箱根の強羅温泉へ行ってきます。箱根の芸術と景色と温泉に癒されながら、これから迎える繁忙期に向かって、心身共にリフレッシュして来ようと思います。
さて、最近、株の暴落や急激な円高など、日本経済を大きく揺るがす出来事が多々あります。早急に対策を取らないと、日本の景気はどうなる事やら。麻生内閣こそメークレジェンドをやってもらいたいですね。そこで、総合経済対策として今注目されているのが「定額減税」です。定額減税とは、橋本内閣のときにも実行されたのですが、個人が負担する一定額の税金を減らすというものです。これは低所得者から高所得者まで、個人の納税者から均等に一定額(妻1人子2人の家庭なら年間65,000円)を減税します。似たような言葉で「定率減税」というのがありました。これは個人が負担する税金の20%(最高25万円)を減額するもので、景気回復?に伴い平成18年で廃止されました。この定率減税はどちらかというと高所得者有利でした。今回の定額減税は、低所得者に有利と言われておりますが、税金を払っていないような低所得者にはまったく恩恵がないことや、高額所得者を減税対象にする必要はないのではないか、などといろいろな問題があります。減税方法としては毎月の源泉徴収税額を減額するのが一般的なようです。また、クーポン券や金銭を配布する給付金方式も検討されているようですが、準備資金にいくらかかる事やら・・・。減税規模は1年間で2兆円だそうですが、果たして2兆円を費やして日本の景気は良くなるのでしょうか。一般のサラリーマンが毎月の給料の手取額が多少増えたからといって、それを消費するだろうか。景気回復の効果というよりも、減税を実行したという麻生内閣のイメージアップ効果のほうが大きいのでは・・・。今回の減税策は、後にやってくるであろう消費税等の増税に向けての、アメ玉のように思えてしまいます。中途半端なダイエットは、あとのリバウンドが恐ろしい。減税も「継続は力なり」で、永く続けてもらいたいものです。 敬具
平成20年11月
税理士 宮村吉徳
12月分
二世税備士の独り言
拝啓 初冬の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
落ち葉の掃除をしている人をよく見かけるようになりました。いよいよ今年もあと1ヶ月。つい最近まで夏物のスーツを着ていたと思ったのに、もうコートを着るようになっています。夏から冬への移り変わりが、とても早く感じてしまいます。師走になると何だかそわそわして、ついつい財布の紐も緩くなりがちです。我が家のサンタクロースはお望みのプレゼントを聞き出すのに、四苦八苦しており、小さな夢の実現に向けて計画を練っております。ところで、我が国の経済は大国の影響を受けてか、景気低迷路線の一途を辿っており、景気回復のためにアレコレやっているようですが、漢字の読めないリーダーに3年後の景気が読めるのでしょうか。七転八倒、本末転倒、舌先三寸、無理算段・・・。他の国では景気回復のために消費税率を引き下げるというのに、我が国は全く逆の政策を考えているようです。また、給付金制度についても、お望みのプレゼントと思っている人は、少ないように感じます。お国にとっては3年後の大きな夢の実現に向かって、しっかりとした計画を練っていただきたいと思います。
さて、これから年末に向けて様々な付き合いで交際費をよく使うと思います。交際費とは、名目にかかわらず事業に関係のある者等に対する、接待、供応、慰安、贈答、その他これらに類する行為のための支出とされています。法人税法上の交際費は、健全な商取引の確立と冗費の節約のため、原則損金不算入(経費にならない)ですが、資本金1億円以下の法人は、支出額が年間400万円までは90%が損金算入(経費になる)されます。最近は不景気のため、交際費を使う人は少なくなってきたように思えますが、景気が良かった時の流れのまま、多額の交際費を使う人もいます。交際費は企業にとっては必要不可欠なものですが、無駄遣いにつながりやすい経費です。将来へ向けての種まきも、なるべく土壌の良いところのほうが大きな実がなるでしょう。こんな時代だからこそ、健全な商取引の確立と冗費の節約です。そして、お上の政策にも、健全な商取引の確立と冗費の節約を徹底してもらいましょう。有言実行、面目躍如、国利民福、救世済民・・・。
明るい未来に期待して。それでは、よいお年を。 敬具
平成20年12月
税理士 宮村吉徳